白馬八方尾根JapanCup2015

2015PNLグランプリとなる白馬八方尾根JapanCupが八方尾根PGSの主催で開催されました。

前日には強い寒気を伴った低気圧は、北海道東で猛烈に発達し、爆弾低気圧となりました。西から徐々に張り出してくる高気圧の動きが早ければ、絶好のコンディションになりそうですが、さあどうなる!?

初日は朝から快晴。白馬盆地は放射冷却により雲海。北アルプスは紅葉も始まり、息をのむ絶景です。しかし、気象情報によると3000mは西風20m!!地元パイロットによると、通常この予報が出ている場合はまず飛べないそうです・・・。ところが、低いメインテイクオフには安定した東寄りの風が入っているようです。まずはテイクオフに移動し、開会式とブリーフィングです。

タスクは佐野坂と47尾根を往復するミニマムタスクが決まりましたが、ダミーだ飛ぶころには怪しい北風が・・・。対流が活発化するに従い、いつ降りてくるかわからない北西の強風が心配です。安全を期して主催者はキャンセルを発表。苦渋の決断となりました。
(堀田さん撮影)
フリーフライトした宮田はタスクコミッティとして、決定したタスクの再現を試みます。1500m付近に形成された逆転層以下は、読み通り風が弱く、十分な日照により佐野坂までの東斜面のサーマル活動は活発でした。

(藤川さん撮影)
逆転層のブレークに気を使いながら、タスクは順調。1時間弱でタスクはコンプリートすることができました。結局、15時まではテイクオフレベルの西風は抑え込まれましたが、夕方には再度10mを越える西風の強風が!!八方尾根PGSのスタッフもこんなことは初めてだという、奇跡の4時間だったようです。

「タスクがキャンセルされたら以外に飛べてしまった」よくあることですが、大きなリスクをもって競技をすることはできません。だれもが矢も得ないと思っていただけたようです。

2日目は予想外の雨の朝!?晴れてくる予報を信じてテイクオフへ移動です。タスクは昨日と同じリベンジタスク。ミニマムタスクを設定し、テイクオフのガスが切れるのをひたすら待ちます。

12時を過ぎ、やっとクリアーになってきたのですが、テイクオフレベルぎりぎり。これでは視界が悪く危険。雲底が押しあがるのか?北風が強くなるのか?選手、スタッフみんなで少ない可能性に掛けてじっと待ちます。

14時になり再度雲底は下がり始め、ランディングも10mを越える北風が入ってきてしてしまいました。残念ながらタスクはキャンセルが決定。下山となりました。

残念ながら大会は不成立となりましたが、スタッフ、選手みんなで成立への最大限の努力をした結果ですから納得していただけたと思います。八方尾根での大会は10年間で初めてのキャンセルとなりましたが、10勝1敗は素晴らしい成立率だと思います。来年もこの時期に開催よろしくお願いします。

さて、2015年PNLグランプリはPNL最終戦四国三郎ジャパンカップに持ち越しとなりました。2015年ランキングに大きく影響する大会となりそうです。昨年は3日間成立し、素晴らしい戦いが繰り広げられました。主催者として皆さんが安全に楽しめるように準備してお待ちしております。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2015年10月04日 | Permalink