伊豆ステップアップコース①

2016伊豆ステップアップコース第1回目は「テイクオフ編」です。

暖冬の影響か、スキー場には雪が無く困っていると言われていますが、今週末には狙ったように最初の寒気が入ってきてしまいました。こうなると伊豆半島三筋山エリアは、強い西風エリアとなり練習は無理・・・。

こんな時こそ朝霧エリアは、駿河湾からの安定した南風が押しあがり、良い練習ができます。今回はパフォーマンスセンターでセオリー講義、実技は朝霧アリーナをお借りして講習となりました。

テイクオフを4つのパートに分けた虎の巻「構え」「逃がして」「振り向き」「加重」を意識して、リバーステイクオフの極意に挑戦。間欠的に吹き上がるサーマルブローを利用しリアルな練習ができました。


午後からは、ウイングキッス朝霧のランチャーからテイクオフ実践です。残念ながらテーマの強い風ではありませんでしたが、斜度が急激に変わるクリフテイクオフの特徴を体感していただけました。



2日目も西風予報のため、今日は丹那エリアでの実践となりました。ランディングを確認してからテイクオフへ移動してみると、強い風の西風はまさかの弱風!?予報では午後からだった東風の進入が早まり、朝から強烈なコンバージェンスコンディションとなってしまいました。

すでに空中に出ていたパイロットは、もれなく雲底へ上昇していきます。ランディングも強めの南風が吹くタイミングもあり、風向風速も安定しません。これは危険!

お昼まで待ちましたが、西風が押し返してくることはなく、残念ながら丹那フライトは終了となりました。

悔しーいっと思いながらも三筋山の風情報を見てみると、相模湾を押し下がる北東風の影響か、さすがの西風が収まってきています。こうなったら飛べるところまで南下してやる!どこかで東風とのコンバージェンスとなっているはず!移動開始!

そして、三筋山エリア手前の浅間山エリアまで南下したところで、ついにコンバージェンスの南端に到達。夕陽を見ながら執念のリッジソアリングとなりました。最後までお付き合いいただいた、伊豆フライトハウス恩田さんありがとうございました。


次回1月9,10,11日は「リッジソアリング編」です。今回のテイクオフ編でのセオリーを実践できるチャンスです。

元気玉で三筋山に東風を呼び込みます!!今度こそ、三筋山エリアでお会いしましょう。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2015年12月27日 | Permalink

四国三郎XCプロジェクト

悪天候により中止となった11月の四国三郎XCプロジェクトでしたが、時期をずらしてリベンジ開催となりました。

初日は寒気が入ったやや強めの北風コンディション。四国三郎の郷でしっかりミーティングを行い、よーし水の丸エリアからスタート!とやる気満々。しかし、困ったことに水の丸は2日前に降った雪が、何とテイクオフで20㎝!!当然、山頂までの林道もしっかり降って、スタッドレスタイヤを装着した4WDではないと上がれないとのこと。「イベントごとに雪を降らせる!」と恐れられている宮田の本領発揮となってしまったようです・・・。

途方に暮れていると、VANスカイスポーツ森校長から「よかったら送迎して上げるよー!」との神の声が!!やったー起死回生のサポートで無事にテイクオフまでたどり着くことができました。森校長ありがとうございました。

テイクオフは予報に反し北風は弱く、寒気の影響から積雲は多め。これは吸い込まれないようにせねば!今日のゴールは東に30㎞ほど行った吉野川河川敷。森校長のダミーに続き、皆さん次々とテイクオフしていきます。


テイクオフ周辺の雲は穏やかな吸い上げリフトを発生していて、まっすぐ行くだけで高度は上がっていきます。これは楽ちんと思いきや、雲の発達は止まらず、あっという間にオーバーキャストしてしまいました。


何とか生き残った数名は、グループを組んで東へ進みますが、美馬市を越えたところから北風は強くなかなか進めません。無理せず。四国三郎の郷にランディングとなりました。

夕方は、北風も収まったので明日に備えて三頭山でフライト。夕方のフライダウンだけでしたが、雲の隙間から差し込む夕日を見ながらのフライトは最高。これは明日いいことがありそうです。

2日目は高気圧に覆われ快晴!朝は吉野川は雲海となり、剣山方向から上がってくるご来光を拝みながらパワーももらいます。これまた、良いことがありそうです!?


今日は三頭山エリアからスタートです。さすがに冷え込んだようで、テイクオフからは逆転層がくっきり・・・。これは渋そうです。それでもテイクオフ前が上がりだしたのを見て、リーダーの平田さん、中村さんからテイクオフ。参加者はコンディションの好転を待ちます。今日のシナリオは竜王山から大滝山経由で脇町へ。その後、東風バレーウインドに乗って西のサンサンLDを目指します。さてうまくいくか!?

やっと逆転層が1000mまで押しあがるタイミングで皆さんテイクオフ開始。しかし、サーマルが活発となるとここ三頭山テイクオフに風が入らなくなる恐ろしい現象が起きます。今日も例外でなく、風は東になり、西になり・・・。なかなかテイクオフできません。

それでも良いタイミングで全員がテイクオフ。テイクオフ南斜面で逆転層がブレークするのを待ちますが、14時を過ぎると無情にも高層雲が・・・。サーマル活動は終息。みんなで四国三郎の郷へグライディングとなりました。さすがのご来光パワーも効きませんでした。残念。

その日予想できるの最良のシナリオを立て、みんなで飛びながら検証し、変化があればその場で修正する。それがXCフライトの醍醐味かと思います。しかし、今回は修正する余地がないぐらいのコンディションの弱さにやられてしまいました。これを学ぶのもXCプロジェクトですね。


こうなれば、今回立てたシナリオを実践するまで止められません!2月のJMB四国の三頭山ツアーに合わせて、リベンジのリベンジを行うことを誓い解散となりました。

JMB四国の高木校長、VANスカイスポーツの森校長、大変お世話になりました。次回もよろしくお願いします。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2015年12月20日 | Permalink

Trton2Light インプレッション

2015X-alpsアスリートにNOVAから用意された翼がTriton2Light。XSサイズはCCCカテゴリーの認証機でありますが、軽量グライダーを求めるクロスカントリーパイロットのニーズには答えるのか。そんな疑問を持ちながら、冬のエアパークCooでテストをおこないました。

まず、パックされたグライダーは当然小さく軽い!3.4kgというグライダー自重はHike &Flyを求めるパイロットを十分に満足させるスペックです。Triton2に比べSサイズで1.55kgも軽量化に成功しています。今回は、最大荷重90kgのXSサイズを新しい軽量ハーネス「エムシライト」との組み合わせで、装備重量75kgでフライトします。ちなみに宮田のパイロット自重は65kg。



グライダーを広げてみると、ベースとなっているTriton2とはセール生地だけではなく、細部が変更されていることに気づきます。まずはトレーディングエッジのブレークラインのアタッチメントが追加されています。これで、レイズアップ時の不意なライン破断にも、迅速に対応することができます。また、ライザーのアクセルプーリーの幅が約20㎝と大きく増加しています。CCCレギュレーションを最大限に使ったスピードが使えるようになっているようです。

テイクオフ
シンプルなライザーは握りやすく、厚手のグローブを使っていましたが、スムーズにテイクオフ準備が可能となっています。そして、軽量ウィングの最大のメリットでもあるインフレーションが簡単!無風はもちろんですが、弱いフォローでも簡単にライズアップに移行していきます。実測アスペクト6.4のハイアスペクトのため、わずかにでも向かい風なのであれば、リバーステイクオフにより、グライダーの形状を維持しながらライズアップされることをお勧めします。


ジェネラルフィーリング
離陸後、パイロットの荷重がグライダーに掛かった瞬間から、滑るようにグライディングする感覚に驚かされます。グライダー最大荷重まではまだ15kgもあるにもかかわらず、まるで上限で乗っているような加速感と旋回特性を感じることができました。特に、ブレークコードを引いた際の翼のしっかりとしたホールド感は素晴らしく、荒れた空域に入った際にパイロットに安心感を与えてくれるでしょう。一般的にハイアスペクトな軽量グライダーはブレークコードを引いてもフニャリとしたブレークプレッシャーで、翼自体が柔らかく感じることが多くありますが、このTriton2lightは違います。引き始めから直ぐにブレーク効果は始まり、的確にグライダーの操縦にリンクしていきます。これならアルプスのリーサイドでもアグレッシブに飛ぶことができそうです。


サーマル内での上昇性能は、NOVAらしい素晴らしいものがあります。装備重量75kgと設定荷重に対しては軽めだからでしょうか、サーマル内で同じ上昇で飛べるグライダーはいません。冬らしい強い逆転層があるトリッキーなコンディションでしたが、誰よりも先に抜けていつも高い位置に上がってしまうのです。これは凄い!

アクセル
20㎝あるアクセルプーリー幅を最大限に使ってみました。ハーネス内のスピードバーは3段式でないと踏み切れないほどのストロークですが、フルアクセルでGPS速度で+13kg/hと十分な加速域でした。一般パイロットが踏み切ることはないかと思いますが、レースではこのスピードは最大の武器となるでしょう。

降下手段
ビックイヤーは潰れた翼端も安定しており、安心してお勧めできる有効な効果手段と言えます。Bストールも可能ですが、Bライザーをゆっくりとやや内側に引き込まないと、ストール後、翼端が前方に走りクラバットを誘発する危険があります。クラバットしてしまっても、大きなストロークを使ったポンピング操作で回復させることはできました。翼端がスタックしない。これも硬いものが使われていない、軽量生地のメリットなのでしょう。

サマリー
他のEN-D機との徹底した比較は行いませんでしたが、75kgという低い荷重でのフライトにはストレスはなく、むしろ一般的なパイロットにはちょうど良い感じで、十分なパフォーマンスでした。もちろん90kgに近い上限荷重で飛べば、その特性はよりハイパフォーマンスになるのでしょうが、一般的ではありません。競技会に参加するパイロットも唸らせるパフォーマンスに、ずばり、軽量な女子選手に乗っていただきたい翼と感じました。XSサイズのグライダーは同じグライダーにおいても大きいサイズよりもパフォーマンスが落ちる!なんていうことが一般に言われますが、XSサイズにこそ、軽量ウイングが当てはまるように感じさられました。

昨今の軽量ハーネスと組み合わせ、XCフライトを楽しみたいパイロットには絶対おすすめの翼です。そして、軽量な女子コンペパイロットにもぜひ試してもらいたい!久しぶりに熱くさせてくれるグライダーでした。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2015年12月17日 | Permalink

双海エリアでパラモーター

愛媛県双海エリアでパラモータの練習をさせていただきました。今回は、特別に許可をいただき、シーサイド公園のビーチからテイクオフ。

離陸後は、すぐに資材置き場のサーマルポイントにGo!プロペラを回せば、いつでも高度を獲得できるパラモータですが、ここはあえてサーマルで上昇を楽しみます。いつもは牛峰山頂からテイクオフするのに、ビデオの逆回しをするように、平地から上がっていくのは不思議な感じです。


積雲に確実にアプローチできるパラモータはずるい!と思われがちですが、普段アタックできない場所にサーマルを追いかけていけるのはアドバンテージがあります。サクッと雲まで上げると、今度はプロペラONで雲をよけながらフライト!気分はすでにナウシカか紅の豚!?


雲に写るブロッケン現象を楽しみながら、安定した雲海上をのんびりフライト。1400ḿの逆転層を越えた上空は、空気も澄んでいて遠くは九州の山が見渡せます。波の無い瀬戸内海には、夕日が映り、きらめいている景色は絶景!この絶景を誰かに伝えたい!そんな気持ちにさせてくれます。



最後は、瀬戸内海上空の穏やかな大気をエンジンをカットして至福のフライダウン。最高の体験をすることができました。パラモータの魅力はこれだ!再認識できました。

今回はGinBolero5Mを使ってのテストでした。パラモータの本場ドイツでは定番の初級機となっているといのことですが、パラモーターで最も難しい技術となる、ライズアップから離陸まで、短い時間で終了することができました。スピードが重要視されるパラモーターウイングの中で、初心者には最適の翼となりそうです。

最後はタンデムでSunSetFlightをA原さんと楽しみました。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2015年12月14日 | Permalink