迷犬サンダー、スサノウを飛ぶ

愛知県渥美半島に位置する「すさのうエリア」。スカイトライが管理されている海岸リッジエリアです。
冬型気圧配置においては、伊勢湾に吹き降ろす北西風によって中部地区エリアは強風帯となりフライトはまず無理・・・。しかし、ここスサノウだけは飛べてしまうのです。




その秘密は海抜高度5mほどの海岸段丘にあるテイクオフ。10m/sを超える強風においても安定した海風により適度な上昇風となり、安定したリッジソアリングが楽しめるのです。
テイクオフの広さは十分!リッジソアリング=トップランディングとなるこのエリアでは練習場、テイクオフ、ランディングが一つになっているようなもので、飛んで降りてグラハンしてと一日飽きることがありません。今日はツリーラン講習も行っています。多彩なスクールができるコンパクトなエリアですね。



こんな強風ではGin「Bobcat」が大活躍!安定した翼形とコンパクトな翼面積で強い風をものともせず飛ぶことができます。本来はトレッキングフライト用としての翼ですが、スサノウのような海岸リッジエリアでもピッタリですね。



さて、こんな素晴らしいコンディションの中、迷犬「サンダー」をバラスト代わりにして飛んでみました。しっぽを振っているのでとっても楽しかったことでしょう。



これからの季節、大活躍のエリア「スサノウ」皆さんも行ってみてください。楽しいですよ。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2010年12月14日 | Permalink

JPAグランプリ 栂池JapanCup

2010年JPAナショナルリーグチャンピオンを決定する日本グランプリが長野県栂池エリアで開催されました。

10月9,10日は生憎の悪天候でキャンセルとなってしまいました。日本グランプリ成立条件としてはGAPデイクオリティーが1を超えるタスクが成立した場合グランプリとしても成立となります。
最終日だけとなってしまいましたが、成立するのでしょうか!?

前日の雨が予想以上に降ってしまい、白馬エリアはたっぷりの湿気に覆われてしまいました。日照は十分なのですが、朝から雲底が低くコンディションは渋そう・・・。

そんな中、コンディションの好転が予想される松本方向にあるA64ミサトゴールへのストレートゴールが決まりました。距離は54kmです。

スタートはウィンドオープン1時間後の八方エリアです。スターとぴったりには20機ほどでスタート!渋いコンディションの中、何とかさの坂エリアまで進みます。

宮田は1000点狙いでライバル小幡選手と先行します。木崎湖手前からは予想通り、北風と西風のコンバージェンスラインが形成されクラウドストリートは生坂エリア方向東へと続いているのが見えます。

宮田、竹尾選手は平野狙いでクラウドストリートを大きく東へ渡ります。やや後方にいた扇沢、大澤、高杉選手はPWC八方と同じ爺が岳コースを選択。集団は大きく2手に分かれました。

ちょうど真ん中にコースを取った小幡、常田選手は、雲でオーバーキャストした最短コースでしたが、サーマル活動は弱くランディング・・。

宮田は平野部単独フライトとなりましたが、2009年プレPWCの明科ゴールのタスクを思い出し、河原の上のサーマルを乗り継ぎ何とか駒を進めます。生坂エリア方向から吹き降ろす西風は、高瀬川上空で平野部の空気に乗り上げ川沿いに上昇風帯となっていたのです。

爺が岳コースの3選手も完全に曇った山沿いを何とか進みますが、ゴール手前で無念のランディング・・。

14:30を過ぎ、サーマル活動も終了に近づいているのを感じながら、宮田は穂高町手前か10kmのファイナルグライドに入ります。ファイナルグアイドカリュキレータは-10mの表示ですが、いくしかりません!

ゴールは扇状地にあるため少しづつ傾斜しています。ゴールラインは目の前なのですが、うーんコリャ届きそうもありません。さあどうする!?ちょうどそのとき赤とんぼに大群がふわふわと浮いているのが見え迷わずコース変更!ふわっと浮いてゴール手前の休耕田まっしぐら!ギリギリ400mのゴールシリンダーをカットした後にランディング・・・。唯一ゴール者となりました。


宮田と扇澤さんのログです。コースの違いが勝敗結果となりました。

BoomerangProtoのグライダー性能にも助けられました。ハイスピード時だけでなく、渋いコンデションでも大きな性能差を感じることができます。グライダーの進化は本当に凄い!

前半白馬エリアが渋く、多くの選手が八方でランディグを余儀なくされてしまったためGAPデイクオリティーは0.75.残念ながらグランプリは成立にたらず次回四国三郎へ持ち越しとなりました。

それでも宮田は今年初優勝!うれしいっす!


主催者の後藤さんをはじめスタッフの皆様お疲れ様でした。来年もまた宜しくお願いします。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2010年10月21日 | Permalink

PWCアメリカ 公式練習日

しかし、大会前日の公式練習日がBESTコンディションとなるのはなぜなのでしょうか?前回のPWC白馬でもそうでしたが、今回も例外なくスーパーコンディションとなりました。

昨日までの強い西風も収まり、クラウドベースは何と3300m!地表では30度を軽く超える灼熱ため、薄着で飛んでしまい雲底ではずいぶん寒い思いをするはめとなりました。明日からの本番はきっちり着て飛ばねば!

まずは、懸念されていた東平野部への台地乗りへアタックです。テイクオフから12kmのコロンビア川越えの先は、長年の浸食によってできた河岸段丘です。確かに渋い・・。弱いサーマルを引っかけながら台地へ乗っかるとそこはパラダイス!完全に空気の層が違うのでしょう。対流は活発でいたるところでダストデビルが上がっていて強烈なサーマルを示してくれます。


そのうち上空には積雲が形成され、下はダストデビル、上は雲という2段構えの分かり易いサーマルを乗り継ぐことができるようになりました。こうなれば3000mのクラウドベースにつけると平野部を何処までも飛んで行けそうな錯覚に陥ってしまいます。


とりあえず夕方のレジストレーションに間に合うように30km先のMensfield集落まで飛んで帰ってくることにしました。風が弱く、雲底3300mもあれば60kmのアウトアンドリターンもあっという間です。2時間ほどフライトでしたが最高のシュミレーションとなりました。1グライド20km近くのビックトランジットとなるとBoomerang7の滑空比の良さが如実に感じられます。本当によく飛ぶ!そして地球はでっかい!


いよいよ明日から本番です。雨が降る気配すらないここChelanでは長丁場の体力勝負となることは必至!思いっきり攻めます。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2010年07月17日 | Permalink

PWCアメリカ プロローグ

2010PWCアメリカステージは、マリナーズで有名なシアトルから内陸東に200km入ったところに位置する「Chelan」で開催されます。大河コロンビア川の支流にあるChelan湖のほとりにあり、夏のバカンスで賑わう一級リゾート地としても有名です。
テイクオフはChelanの町そばにある丘のような山で海抜1100m、コロンビア川側のランディングとの高度差は900mもあります。しかし、このエリアはテイクオフから離れ、東側の平野部へ飛び出すXCタスクが多く、台地である平野部の海抜は900mもあるので大変です。



つまり、テイクオフで上げると、まずはコロンビア川谷を越えて平野部台地に乗ることから始めなくてはなりません。トリッキーなコンディションだとここでランディングしてしまうパイロットも多いそうです。気をつけなくては・・・。雄大なコロンビア川を眺めながら越え、平野部へ出ていくのは圧巻で、日本では決して経験できないでしょう。


さらに平野部で度肝を抜かれるのが、ダストデビル(ミニ竜巻)です。噂には聞いていましたが、これほど多く見られるとは思いませんでした。不思議なのは恐ろしいといより、サーマルが豊富でいいねえぐらいにしか感じないことです。恐るべしアメリカ大陸!

ノーマルコンディションで雲底高度は3000mを軽く超えるそうです。楽しみです。
日本からは宮田、中井さん、Ginglidersの小林が参戦です。ご期待ください。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2010年07月16日 | Permalink