A RollOutパrグライダースクール主催のセーフティコース開催です。今回はハイスペックグライダーにのる上級者が多く、またSIVの経験ある方がほとんどです。
初日、ベテランとはいえ、SIVセオリーをきっちりと学び、しっかりとしたイメージを持って実技に臨みました。
初めてのボートトーイングでしたが、皆さんスムーズにクリア。600m以上の獲得高度を得て、まずはいつもの、振子運動に合わせた積極的な操作からスタート!ピッティングそしてスパイラル離脱から強いサーチを起こし、テンポで制止!スムーズにアクセレーションへ移行させます。
サーチの限界点、そして強さを感じれた方からフルストール。セーフティポジションで安定させてから回復させます。さすがにハイスペックグライダーは回復時にクラバットを誘発します。その場合は慌てずスタビ、B3ラインを引き速やかにクラバットを解除していきます。
慣れてきた方はクイックターンでクラバットを解除。クラバットした翼側にロールした時がチャンスです。翼端失速を感じ、クラバットがとれたらアクセレーションに入るチャンス!ブレーク操作は引き抜くつもりで臨むところがポイントです。短い時間と少ない高度損失でのリカバーには大変有効です。
2日目に入り、マニューバは左右非対称となり難易度は高まります。失速はスピンからセーフティポジションで旋転を制止し回復。初日のセーフティポジションを理解された方はスムーズに遂行。片翼を大きくコラップスさせてオートローテーション維持。これは難しかった。プラスバテンで補強されたリーディングエッジとシャークノーズプロファイルはきれいにつぶすことが難しかったですね。このような特性を知るには良かったといえるでしょう。
異常飛行の連鎖からリアルなオートローテーションを実践し、パラシュート開傘をされたかたもいました。湖上でのトレーニングはこのパラシュート開傘することにも意義があると感じます。回復操作に集中するのではなく、高度損失とパラシュート開傘の判断。この感覚をしっかり体に覚えさせてください。
2日間天候にも恵まれ、参加者の皆さんは予定通りのメニューをこなすことができました。今回の大きなテーマであった異常飛行を体験し、回復させるプロセスを実践することで、異常飛行に入らない操縦を身に着けるヒントを感じていただけたかと思います。また、SIVコースは1回の参加で習得できるものではなく、参加したことで自分の限界を押し上げるものではないと理解していただけたとも思っています。
異常飛行を知ることで、より謙虚なフライトを心がけるようになりセーフティマージンの大きなパイロットを目指していただきたい!参加者の皆さまお疲れ様でした。