島田ガンバ パラグライダーふわっと体験の巻
島田市社会教育課が企画する「島田ガンバ」。島田市内の子供達37名がパラグライダーふわっと体験に挑戦です。
3月から整備を進めてきた身成スポーツ公園で開催です。先ずはパラグライダーを触ってみよう!「こんな布と紐だけで本当に飛べるの~!?」「切れちゃわないですか?」そんな疑問に、丈夫な素材でできていることをしっかりお勉強していただき、体験はスタート!
前半組は斜面に対して追い風となる北風が続き、サポートのおじさん脚力もギリギリでしたが、後半組は期待していた南西風が吹き始め、サポートもラクラク~にふわっと体験が楽しめました。
いつもの子供たちの喜ぶ笑顔を見ると、オジサン達も頑張れます!楽しんでいただけて本当に良かった!このようなパラグライダー体験を島田市のみならず、全国の小学生が野外活動で行ってほしいものです。
島田市緑茶化計画と同時進行で、島田市パラグライダーパイロット化計画も進めますぞ~!
川根小学校パラグライダークラブ活動 第4回目の巻
鵜山七曲オープン2019 大会レポート
今年で第2回目となる鵜山七曲オープンカップが開催です。会場は島田市葛籠の七曲スカイパークだけでなく、西風に対応した島田市身成の川根スカイパークも整備され、万全の体制で選手をお迎えです。直前に発生した秋雨前線がどう影響するか心配されましたが、みんなの念が通じ大会期間中は上手く南下してくれそうです。さあどうなるか?いよいよスタートです。
初日。
晴れては来るものの、前線通過後の西風が強まる予報。開会式終了後、風が強まる前にと、早めに川根スカイパークに移動します。仮タスクを用意しましたが、予報通り晴れ間と共に強まる傾向がある風に、安全に競技フライトが難しいと判断し競技中止が決定。安全なフリーフライトとランディングでの風船ターゲットとなりました。川根スカイパーク初となる大勢のパイロットが大空に舞う姿に、地元身成、抜里の方も喜んでいただけたようです。
夜は笹間交流センターで懇親会。風船ターゲットでの入賞者にはファルホーク様、エアかっしー様からのご協賛品が授与。協会の垣根を越えた選手間の交流に盛り上がりました。
明日は典型的な北西風ベースのリーサイドコンディション。朝から日照が続けば秋らしいナイスなコンディションとなりそうです。
2日目。
朝から快晴、絶好の予報に各クラス全員が楽しめるタスクを用意してテイクオフへGo。予報通りの北西風コンバージェンスな条件になりましたが、あまりに良すぎるスーパーコンディションに!地上からの対流、上空の本流が各高度、風向風速は激しく絡み合うタフなコンディションに…。世界戦国別3位入賞のナショナルチームメンバー廣川選手は2000mまで上昇。早めにテイクオフした猛者選手達も果敢にタスクにアタックしますが、さすがに風は強そうです。東に見えるコンバージェンスラインの接近を期待し、ぎりぎりまで待ちましたが、テイクオフの北西風はさらに勢いを増し、安全のため競技のキャンセルは無念の決定。
閉会式では、エントリー費入金順に賞品が配られました。早く入金いただけると主催者も大変助かります。選手も納得していただけたようです。このタスクを制したのは、募集開始直後、最初にエントリーし、そして最初に入金(ゴール)していただいた家崎選手。文句なしの1000点満点です。おめでとうございます!来年もゼッケン1番狙ってください!
閉会式が終わった15時からは、コンバージェンス風も落ち着き七曲でフリーフライトとなりました。夕方まで飛んでも1700mのスーパーコンディションは続き、残ってくれた選手は平和な七曲の空を楽しんでくれました。2000mも上がらんでも良いので、普通のコンディションでタスクやりたかったです…ちょっとフォースと忍法使い過ぎました。
これに懲りず、鵜山七曲の大会は続きます。スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。来年こそは素晴らしいタスクが成立できるように準備します。選手の皆様また川根町でお逢いしましょう。
US Open 2019 参戦記
プロローグ
バンクーバーからシアトルへ。日本チームと合流して、USA選手権にオープン参加するためにChelanにやって来ました。コロンビア川を越えた台地上では、強烈なサーマル(熱上昇風)がダストデビル(つむじ風)と共に発生するエリアとして有名。2010年のワールドカップで訪問し、4位入賞した思いで深い場所でもあります。
Chelanは,北アメリカ最深となる氷河湖畔にあるリゾートで、独立記念日があった週末からバカンスを楽しむ多くの観光客で賑わっています。それに合わせてたこの大会は、地元の大きなボランティア支援によって開催されています。大変ありがたいことです。
今日は公式練習日とミーティングが行われ、いよいよ明日から本番です。平野部の雲底は2800m!久しぶりとなる競技フライトのため、今日のフライトは装備の確認と調整がミッション。3年のブランクを埋めるべくスロースタートで気負わず行きたいと思います。ご期待ください。
Day1 Task1
大会初日。いよいよ競技スタートです。朝から快晴。テイクオフはビュートと呼ばれる浸食によって残された丘の頂上。何も無いテイクオフには選手がテイクオフ順を待つようにテントが設置され、強烈な日照を遮ってくれて助かります。
タスクは選手のコンディション調節に合わせ、101Kmの風下へのストレートゴールが決定しました。ここChelan では簡単なショートタスク。先ずはミスせずゴール前で勝負を心がけます。しかし、大事なスタートで失敗し、やや後方からのスタートとなってしまい、トップグループを後方から追い上げる形でレースは進みます。
初日ということもあり選手も大きなリスクを負わず集団で進みます。そんなスローペースの集団を、残り25Kmでついにキャッチ!と思われましたが、ダントツに一人抜き出ていたトップowenから10分遅れのゴール…。
レース展開はこちらから
https://airtribune.com/play/4210/2d
後追いだった分、リーディングポイントは期待できませんが、まずまずの滑り出しとなりました。残り6日、勝負は後半戦までとっときます。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
Day2
大気が不安定な予報でしたが、朝は快晴のため、選手も朝から興奮気味。我々も準備万端気合を入れてテイクオフに上がりました。弱い風のため、早速74Kmのトライアングルタスクが発表されスタート時間を待ちます。
ところが高層雲が張り出すのと同時に、コロンビア川を渡った先の平野上に積乱雲が…。上空に流入した寒気の影響でアッという間に発達。遠く雲の下は雷雨が見えます。流石にこれはヤバい!主催者はギリギリまで待ちましたが、やはりキャンセルが決定。残念ながら下山となりました。しかし、積乱雲もアメリカンサイズ!すごい迫力でした。
明日も大気は不安定。吉と出るか凶と出るか?準備は万端です。どんとこい!
Chelan 2019 Days 1 and 2 from HapiAcro on Vimeo.
Day3 Task2。
適度な不安定な大気ですが、南風が強い予報。Chelanの平野部は南風に弱い。こうなったらカナダ国境まで行ってしまいましょう!と発表されたタスクは風下への133Km。
一見、簡単そうなタスクでしたが、スタート前の位置取りが勝敗を分けそうです。テイクオフ後は風上側から注意深く台地にのって、今日の宮田は狙い通り大地の上でベストポジションのスタートに成功。
終始、トップグループでコマを進めることができ、ファイナルグライドは失敗しゴール手前に降りそうになりましたが、何とか4位でフィニッシュ!トップはブラジルで500Kmを越える世界記録を樹立した伝説のパイロットDonizete。やはりすごいパイロットです。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
レース展開はこちらから。
https://ayvri.com/…/2019_chelan_us_paragliding_open_tuesday…
やっとレースの感覚が戻ってきました。現在総合4位。まだ残り4日あるので、少しずつ順位を上げていきます。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
Day3の動画はこちらから
https://vimeo.com/347649914
Day4
前線通過で朝から雨。午後から回復予報でしたが、強風予報も出ているためキャンセルが決定。夕方、風が収まれば飛べるかとひたすら待ちましたが、発達した積乱雲が広がり、やはりダメでした。残念…。
あきらめて、夕方近くの川の散策に。気持ち良いトレックロードが整備されていて、良い気分転換になりました。明日に向けての準備は万端です。
Day5 Task3
残り3日。大会も後半戦になってきました。選手も本気モードで、降りてしまうリスクがあってもガンガンとアタックする展開が予想されます。タスクは南風強い予報ですが、東西方向に台地を往復し、北へ。ゴール手前でまた東西に往復する。横風レグが多く、距離も122Kmのテクニカルな内容です。
スタートは今日もピッタリ決まり、ベストポジションでレース開始!やはりトップ集団はいつものメンバーに絞られ、抜きつ抜かれつ更にハイペースで展開。特にブラジルのレジェンドDonizeteがガンガン低くアタックし、トップ集団を牽引します。宮田はついて行くだけで必死。中々前方にアタックすることができません…。もちろん、トランジットは常にフルスピードを維持しないと、アッというまに置いて行かれます。
何とか中盤までは良いポジション行けましたが、さあこれから勝負という残り50Kmで完全に置いて行かれます。気持ちを入れ替えしっかり雲底まで上げて一気に追いつく作戦に変更。3000mの雲底から残り30Kmのファイナルグライドで勝負!最終レグは力いっぱい横風!!ファイナルグライド計算はゴール上空「+350m」の余裕到達高度が表示されています。よーし!Go!しかし、最終パイロンは対岸の湖の上を折り返したころには「+50m」さらにみるみる減っていきます。残り10Kmでは「‐50m」!!これは上げないとゴール前に突き刺さってしまう。得意の忍法神頼み!!!
すると、今日も出ました!奇跡のサーマルのおかげで数十mゲイン。町の上をギリギリの高度で通過しゴールラインをカット!!最後にかなり追い抜いて7番目にゴールでしたがトップから10分遅れ…。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
たまには幸運も必要ですが、総合成績は5位に後退。残り2日。まだ表彰台のチャンスはあります。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
Day5の動画はこちらから
https://vimeo.com/348511056
Day6 Task4
高層雲に覆われた朝でしたが、ここシェランでは午後から晴れてくることが多く、気持ちを高めテイクオフへGo! 北西の谷へストレートゴールが発表されましたが、高層雲は依然取れず。しばらくウェイティングとなります。
午後1時を過ぎても、高層雲はべったり。たまらず40Km北へのミニマムタスクに変更しコンディションの好転を待ちます。14時を過ぎダミーがやっとソアリングし始めたのを見て、ウインドオープン!渋いコンディションの中、選手は次々とテイクオフしていきますが、ほぼ撃沈…。宮田最後まで粘りたおし、好転を待ちますが耐えきれずランディング。海外の大会では珍しくリフライト有だったため、コンディションの好転を期待してテイクオフへ。すると奇跡が起きます...。
最初のリフライト組がテイクオフに着いたころ、なんと雲が切れて青空が!!!飛ばずに待っていた組と合流し、次々とゴール方向へ消えていくではありませんか。宮田もギリギリ16:30のウィンドクローズに間に合い、追従します。
急いだリフライトでしたが、悲しいかなまたもや高層雲が…。ドン曇りの中、コロンビア川西斜面に取りつき、緩斜面を「忍法手裏剣の舞」で回し続け凌ぎ、台地の縁まで上げたら「忍法張り付きの術」リッジソアリングで何とか北上に成功!
いよいよファイナルグライドですが、ゴールは台地の裏!ギリギリの高度で裏にこぼれたら届く!とそう思ってこぼれてみると、何とそこは広大な果樹園。対地高度はとれず、あえなく林道に撃沈…。
放心状態でグライダーをパックしていると、青空が再び…。何とタイミング悪いこと。歩いていると農園で働くトラックに乗ったメキシコ人アミーゴが通りかかり乗せてくれることに。電波も入らない台地の上だったので助かりました。グラシアス、アミーゴ!
全員リフライトかと思われましたが、唯一生き残ったのはブラジルのレジェンドDonizete!ぶっちぎりのゴールでした。本当に凄いオッサンです。いよいよ、残り一日となってしまいましたが悔いなくせめて少しでも順位を上げていきます。
USオープンDay7 Task5
大会最終日。朝は高層雲が広がり、昨日同様いやな雰囲気でしたが、テイクオフに到着するころにはすっきり晴天に。強烈な日照が肌を刺します。
最終タスクは閉会式のこともあり、台地上の道路に沿った78Km。これはあっという間に終わってしまいそうです。今日もピッタリ、ベストポジションでスタート!台地上は大会期間中、最高のコンディションとなり、積雲下の良質なサーマルは+8m/s!「忍法昇龍拳」で一気にクラウドベースへ。
弱いサーマルは捨て、ひたすら積雲下をフルスピードで飛び続けます。今日も集団を牽引したのはブラジルのレジェンド、Donizete。最終日にアタックする選手も、彼の前に仕掛けるのは難しく、追従するので必死です。
アッといまにファイナルグライドへ。宮田も何とか追従しますが、ゴール手前で引き離され10位でフィニッシュ。主催者の狙い通り80人のゴールとなりました。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open
総合成績は5位。3年ぶりの競技会は燃え尽きることができました。昔の仲間とだけでなく、伝説のパイロットDonizeteさんと飛べたことは自分に大きな刺激になりました。年に数回しか飛ばないそうですが、平野部を飛ばせると世界一かと思われる神がかったフライトを見せてくれました。凄いパイロットがいるものです。
世界は本当に広い…。
エピローグ
世界有数のフラットランドChelanでの戦いが終わりました。7日間中、5日飛べて、それぞれChelanらしい素晴らしいタスクが成立。3年間の競技活動のブランクを埋めるべく選んだステージとしては最高だったと感じています。
ただ、この3年間でグライダー、ハーネス、計器などの道具だけでなく、その間トレーニングを積んできた選手も大きく進化していて、自分がはるか取り残されていることも強く感じました。
ルールは、より先行して飛ぶ選手を評価するリーディングポイントの比率が大きくなり、失敗を恐れずアタックし続けることが結果総合成績に反映されてくる。そんなゲームになってきているのです。アベレージパイロットであった自分の飛び方も変えなくてはなりません。
今回のUSAでの遠征が、自分の競技フライトへのモチベーションを、また引き上げてくれる本当に良い機会になりました。USオープンで得たレター(成績)を使い、またワールドカップに挑戦できるように準備していきたいと思います。
ご声援いただきました皆様、ありがとうございました。