2013 PWC SuperFinal Brazil day11

24日 Day11 Task9
天候も問題なし!タスクは残り2本です。タスクブリーフィングでは、今日もグライダーチェックの結果についてコンプレイン(抗議)。数名のパイロットは競技をボイコットをするとのこと。しかし、自分はそんなことを気にはしてられません。


タスクは南に97㎞のストレートゴール。まるで筑波でのXCタスクのようです。スタートは昨日と同じ53㎞のシリンダー。グループは2つに別れました。当然、風上で待った方が有利です。


勝負に出ていた宮田は風上組を選択。しかし風上で待つと、回している間に強い風に流されてしまい、スタート時間にはシリンダーに入ってしまいましたフライングしてしまったため、まずはシリンダーの外に出てかリスタート。風下組はきっちり雲底からスタートしていくのが見えます。序盤から大きく出遅れます。

遅れた風上組には、イタリア伝説のパイロット、ルカ・ドニーも含まれていました。神がかったフライトで集団を引っ張ります。まるで強いサーマルのみが目に見えているようです。弱いサーマルには目もくれず、確実に1発でサーマルのコアに入っていきます。宮田はルカを徹底マークし、スピードを上げていきます。そして、レース中盤にはついにトップグループをキャッチすることに成功!

レース後半は時間的に15時を過ぎ、サーマル活動もピークに。雲底高度は2000mを越え、クラウドベースに乗ってフルスピードを維持するだけです。そして、最後の強烈なサマルをヒットし、いよいよファイナル勝負に!

+5m/sと昇竜のように上がっていく中、GPSのゴール余裕到達高度表示がプラスに転じるのを見続けます。まだマイナス100mで続々と離脱していきます。残りの距離は20㎞です。宮田はプラスになるまでさらに4周。やっとプラスに転じたところでスパート!

ゴールの飛行場は遠くか確認できますが、目線では届く確証はありません。先に離脱した選手は、上から見ると地を這う良いうにゴールに突き進んでいます。宮田はほぼクラウドベースをフルスピードで維持します。高度の高いところは吸い上げリフトが強く、グライディングしながら徐々に高度も上がっていきます。

そして、余裕到達高度はプラス300mまで!ゴールは確信できましたが、低く離脱した選手には完敗です。ぎりぎりの高度でゴールラインをカットしていくのが見えます。宮田はたっぷり300mも余してゴール!ゴールカット後、頭は真っ白・・・。呆然と高度処理を行っていると、飛行場の長い滑走路の真ん中に引いているライン手前に、次々と突き刺さる無念のパイロットが見えました。低く勝負に出たパイロットにも、明暗が分かれたようです。



2分遅れの921点。伝説の男ルカは2位でフィニッシュ。さすがです。総合成績は8位に後退しましたが、まだ点数は僅差です。ラストチャンスはまだあります。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年01月25日 | Permalink

2013 PWC SuperFinal Brazil day10

23日 Day10 Task9
いよいよ終盤戦、残り3日となりました。コンディションはこれから良くなっていくことが予報されています。

87㎞のトライアングルタスクが決定。スタートの混雑を回避するため、スタートポイントは平野部の6kmシリンダー。選手は360度どこで待っても良く、スタート前に選手は分散し待機します。そうは言っても、良い雲底に集まり、結局大混雑。とにかくレーススタートです。

今日の宮田はとにかくアタッカーに徹してみました。あえてトップ集団からコースを変えてショートカットを試みます。しかし、さすがトップ集団なかなかスタックしません。逆に間違った判断をしてしまい、レース中盤はセカンド集団に転落。焦らずチャンスを待ちます。

最も南下したターンポイントを取り、後は向かい風をゴールまで戻るのみ!いよいよトップ集団をキャッチすることに成功。さあ勝負はファイナルグライドです。

残り15㎞トップ集団は3つ分かれます。ヤッセン、ステファンを含む突っ込みタイプは真っ直ぐコース。横風を嫌ったルカドニーニたちはさらに風上に。宮田はその真ん中コースです。さあ最初に最後のサーマルをヒットさせたものが勝者です。どうなる!?

緊張したグライドが続く中、高度はどんどん下がっていきます。とにかく周りをよく見てサーマルのサインを探します。いました!2匹のウルグーが低いところで回しています。すかさず、一緒にいたフランスのジャンマルクが突っ込みます。宮田、ジュリアンも追従。+2m/sのサーマルをヒット!ファイナルグライドカリキュレーターが+100mを表示!

すかさずファイナルグライドに入ります。トップスピードで僅かに遅れた宮田でしたが4位でフィニッシュ!時には幸運も必要です。ラッキーでした。

両サイド別れたグループも低くゴールラインになだれ込んできます。ゴール手前は小さな丘になっており、多くのパイロットは越えられず無念のランディング。そんな中、ギリギリの高度で丘を越えゴールする選手もいました。絶好調男の浜名湖PGS廣川選手です。素晴らしいアタックで今日も決めました。



宮田は総合7位まで上がってきました。残り2日。いよいよ表彰台は射程圏内です。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年01月24日 | Permalink

2013 PWC SuperFinal Brazil day9

22日 Day9 Task8
再び、高気圧圏内になってきたようです。昨日までのような雲の多い条件ではありません。思いっきり飛べそうです。

南へジグザグと南下するシンプルな67㎞が決定。雲底はまだ低いものの、前半戦のスピードレースとなりそうです。

今日から宮田はアタックモード!集団から離れることにはなりますが、チャンスがあれば勝負に出ます。さすがトップ集団の選択はいつも正しく、なかなか前に出れません。

勝負はやはりファイナルグライドとなりました。ゴール上空には発達した積雲が形成され、強烈な吸い上げリフトの中をフルスピードで滑空するのみ。

トップとの差は縮まらず、2分遅れでゴール。936点とまずますの点数をゲットしましたが、30位。今日もほぼ全員がゴールする結果となりました。



総合成績は11位と後退しましたが、点数差は僅差です。まだチャンスはあります。
のこり3日間、攻めます。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年01月23日 | Permalink

2013 PWC SuperFinal Brazil day8

21日 Day8 Task7
時間通りにテイクオフへ移動となりましたが、今日は別のトラブルが発生!!昨晩、降った雨の影響でテイクオフへの道が土砂で覆われてしまったのです。

テイクオフまでは舗装道路とはいえ、昔ながらの石畳の道です。ブラジル特有の赤土は、きめが細かく粘土のようで、雨で簡単に流れてしまいます。おかげで、石畳はヌルヌルのツルツル!

ちょっと傾斜のきつい場所は、危なくて登れません。とにかく乾くまで待つしかありません。しびれを切らした選手はテイクオフまで歩き始めますが、まだ距離はたっぷりあります。


小さなピックアップトラックが通るたびに、選手がたっぷり乗り込みます。宮田は最後までゆっくり待って、4WDのカミオン(大型トラック)に乗り込みテイクオフへ。

スタートが遅くなってしまった分、タスクは短く62㎞。雲底も低く、風下へ流していく生き残りタスクの様相です。

宮田、最初にテイクオフしたのは良かったのですが、まったく上がらずまさかのぶっ飛びが脳裏に浮かびます・・・。何とか町の上で鳥が回しているのを発見!あげ切ったころにはスタート!ぎりぎり間に合いましたが、スタートラインは遥かかなた・・・。すっかり遅れてしまいました。

レース中盤は雲に覆われ完全にオーバーキャスト。多くのパイロットがランディングしていき、やはり生き残り合戦となりました。ここでも宮田はウルグー(鳥)に助けられ奇跡の復活!やっとトップが見えるところまで追い上げてきました。

最後のターンポインと上空には、積雲が発達し真っ暗!西方向からは雨のカーテンが迫ってきて来るのが見えます。雲底下は強い吸い上げと、大粒の雨が降りだしてきました!!気まずい雰囲気の中、何人かの選手がレベル3をコールし始めます。

この状況ではタスクストップになるのでは!?変な邪念が頭をよぎり、フルスピードで雲底から離れグライディングに入ってしまいました。ゴールまではもうひと上げしなくてはならいのに、頭の中はタスクストップになることを確信してしまったのです・・・。ひたすら距離を伸ばしランディング。しかしタスクストップはコールされませんでした。

ぽつぽつと雨が降る中、グライダーを畳みながら見上げると、頭上を後発集団が越えていきます。ゴールはできなかったにしても、あと10㎞は進めたはずです。今日も失敗です。冷静さを失ってしまいました。

夕食は豪華なパーティが開かれました。「シュラスコ」と呼ばれる肉を串刺しにし、焼き立てのものをテーブルでサーブしてくれます。ちょっと塩が利いていますが、とっても美味かったです。ブラジルに来てまともの食べ物にありつけました。これでパワーが溜め込めました。


今日のタスクは完全にディスカードです。上位選手が手前に降りていたためか、宮田は総合9位まで上がってきました。残り4日、まだ表彰台を狙えるポジションにいます。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年01月22日 | Permalink

2013 PWC SuperFinal Brazil day7

20日 Day7 Task6
低気圧に入ったようで、低い雲に覆われた朝です。ここGVだけ午後から晴れてくることもあるらしく、GVマジックにかけてテイクオフへ移動することになりました。


時折、小雨が降るテイクオフでウェイティングは続きました。待っている間、スイスの若手、TimBolinger がテイクオフ前でワガ(地面すれすれでウイングオーバーを繰り返す)を披露!ちいさなアクロ機ではなく、ハイスパンのBoomerang9を使った演技はまじかで見ると大迫力です。最後は見事トップランを決めてお見事!注目の的でした。

ブリーフィングでは、昨日発覚したグライダーチェック問題について話し合われました。現在の競技は、ENの認証を得たグライダーのみで戦われています。毎タスクごとにトップのグライダーはチェックされます。その中で、あるグライダーが認証機と大きく異なる形をしていたことが判明したのです。

問題なったのはグライダー後縁の長さです。この長さは、基本的にグライダーの安定性を維持するものだけでなく、最高速度、滑空性能に大きく影響を及ぼす重要な要素となります。その長さが、スパン方向で40cmも広がっていたのです。

PWCAからの公式発表を要約すると、このまま大会は継続し成績は仮のものとする。PWCAは認証テスト機関ではないため、大会終了後上位グライダーを公式なテスト機関に送り再度テストを行う。その結果で公式な総合成績を出す。

今回の問題は、そのグライダーを使っている選手に過失はなく、グライダー製造メーカーの問題となります。テスト機関に提出したグライダーが認証をパスしなかった場合。今後、大きな問題になることは必至。もう見守るしかありません。

結局、低い雲が取れることはなく、タスクはキャンセルとなりGVの街までフライダウンとなりました。宮田は新しいラインのチェックでき問題なし!明日からに備えることができました。

とにかく、残り5日間。思いっきり攻めます。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年01月21日 | Permalink