2014PWC Super Final Turky Day9

トルコらしい快晴の朝ですが、数日前のような寒さは収まってきました。やっとPamukalle本来のコンディションになってきていることを感じさせられます。10:00の集合の後、1700mのメインテイクオフへ移動となりました。

弱い北風ですが、南風ブローが上がってきています。絶好のコンディションにビックタスクの噂も流れましたが、テイクオフから北へ延びるリッジを往復し東の平野へゴールする76kmが決定しました。

13:00のウインドオープンから選手は次々と空中へ。テイクオフ前で溜まることはなく、サーマルトップ2500mへスムーズに上がっていきます。ここで、宮田は今日もトラブル発生。ライズアップの際にブレークラインを切ってしまいます。慌てずトップランして、ラインをつなぎ、スムーズにテイクオフ。事なきを得ました。

2500mから一斉にスタート。最初のターンポインとまでは大きなつかず、いくつかの集団で抜きつ抜かれつレースは展開します。ドラマがあったのはレース中盤のターンポイント3でした。トップグループは台地上の岩山東斜面へ、セカンド集団は西斜面へ分かれます。

宮田は台地上、日の当たる西斜面を狙います。しかし、強い西風によりまわり込むことができず、吹き降ろしにつかまります。なだらかな東斜面を転がるように、谷まで逃げ込みます。台地の上には数名が下りていくのが見えます。これは大ピンチ!!

東の谷まで逃げ込むと、ここで奇跡が!!バレーウインドが吹き上がっており強烈なコンバージェンスとなっていたのです。もみくちゃになりながら2400mまで一気に復活することに成功!先行している集団は山回りで低くスタックしているのが見えます。良いラインを選択できればゴール届くかもしれません。

上空の西風に下層の南風がもぐり込み、作り出されたコンバージェンスラインは穏やかな上昇風帯を作っていました。低く先行しているパイロットが、センタリングしている様子から、なんとなく良いラインがイメージできます。あとは回さないでグライドに集中します。ファイナルグライドカリキュレーターは‐50m表示。ゴールまで残り20km。少しでも良いリフト帯にヒットすればこのまま届くかもしれません。目を凝らしてリフトのサインを探します。


直線的にゴールに向かうのではなく、風上となる少し西側をトレース。余裕到達高度が100mを表示した時点で、そのままゴールへなだれ込みます。幸運にもESSシリンダー手前からは上がり続け、200mの高度を残しフィニッシュ。納得のファイナルグライドでしたが、トップから15分も遅れています。

写真はゴールラインをギリギリの高度でカットする青木翼選手。

残り2本。攻めるしかありません。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年10月03日 | Permalink

2014PWC Super Final Turky Day8

少し暖かい朝です。少しづつ北風が収まってきたようで、やっと1700mのメインテイクオフへ移動となりました。テイクオフに着いてみると、観客席のテントが吹き飛んでいます・・・。そしてやっぱり北風強風。あまりの寒さに選手はバスから出ようとしません。オーガナイザーは、逆転層下の低いテイクオフへ移動を指示しました。

低いテイクオフは弱い南西風。これは飛べそうですが、今日もガッチリ逆転層が見えます。昨日と同じ展開が予想されます。コミッティは台地の縁を2往復する48kmのタスクを決定。大きく湾曲している台地を大回りするのか?それとも低いところを最短距離で行くのか?選択肢を持たせました。今日も15:00にエアスタートです。

昨日のこともあり、スタート前には台地の上空に這い上がり、逆転層を突き抜けるサーマルを掴むことが求められます。宮田のグループは果敢に台地を攻めて、ついに2300mまで上がるサーマルを探し当てることに成功。絶好のスタートを切ります。


こうなればレースは終始、逆転層上空の戦いとなります。1500mを下ることなくハイスピードなレースが展開されました。宮田は常にベストポジションを維持。後半の勝負所に備えます。

残り2つのターンポイントを残し、いよいよファイナルグライドとなる時トラブル発生!!メインGPSが壊れ、ファイナルグライドカリュキュレーターが作動しません。躊躇している間に集団から完全に出遅れてしまいます。トップ集団は明らかにファイナルグライドに突入しているので宮田を追走しますが、ゴールまでの残り20kmが届くかどうか確信が持てずフルスピードが使えません。やっと目線でゴールが確認できた時には、時すでに遅し。ゴールライン手前には何人もの選手が無念のショートランディングしていくのが見えます。しかし、宮田は100m以上の余裕到達高度でゴールカット。高すぎました・・・。もっと早くスパートを掛けられたはずなので完全に失敗です。


3分遅れの26位。点数は919点と悪くはありませんが、もっとファイナルグライドの精度を上げなければ勝機はありません。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年10月02日 | Permalink

2014PWC Super Final Turky Day7

風はやはり北風。これではメインとなるテイクオフはフォローで使えません。Cameliに移動したほうがコンディションは良さそうですが、さすがに3日連続は厳しく、Pamukkaleの低いテイクオフに移動が決まりました。

テイクオフに着くと風は弱いのですが、逆転層がびっしりと張り付いているのが見えます。これは今日も渋そうです。それでも台地の縁を往復する47kmのタスクが決定。あとはダミーの上りを待ちます。

ダミーがギリギリステイできる条件となり、ウインドオープン。上がりそうもないコンディションで最初に出ていったのは廣川選手。パムッカレ遺跡ギリギリの高さまで下がりますが、何とか上がり始め漢を見せます。

それを見て選手は次々とテイクオフしていきますが、テイクオフ前はやっぱり上がらず、大渋滞。上がらないは、次々出てくるは、こんなに込み合った空域は朝霧井之頭もビックリ!!それでも何とか200mほどあげてレースはスタートしました。

早い時間にテイクオフし、かつ台地の上にうまく上がっていった数名は1000mの逆転層を突き抜けコマを進めます。その他の上がらないパイロットは這いつくばるように、なだらかな斜面を進むしかありません。この逆転層の上に出ることができるか否かは大きな差になりました。宮田も途中で気づき、遠回りしながらも何とか台地に上がろうとトライしますが、サーマルはうまく上がっていきません。

上空は北風、下層は南風・・・。風向きの違いが作り出す逆転層を突き抜けるサーマルを探すのは、針の穴を通すようなもの。高い判断力と操作技術が必要だったようです。宮田は1度だけ抜けきり、TP3をゲットしますが、午後になり逆転層上空の北風はどんどん強まってきています。上空から押さえつけるように吹く北風が、今度は吹き降ろしてきて2回目は続かず、台地の上にあるTP5をとることもできず、そして距離を延ばすことができず撃沈・・・。

上空の北風が弱いかった時間に、逆転層の上のみを回ったパイロットが、この難解なタスクをコンプリートしました。自分の経験したことのないような、過酷なタスクをあらゆる方法で解決していくPWCパイロットは凄い!完敗でした・・。

明日以降も同じコンディションは続きそうです。気持ちを入れ直します。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年10月01日 | Permalink

2014PWC Super Final Turky Day6

今日も北風予報のためCameliに移動です。先々週までPrePWCが開催されていたところで、実績はあります。急遽、我々の訪問を町は快く受け入れてくれました。町内放送でワールドカップの選手が来たことがアナウンスされ、町民からは熱烈歓迎を受けました。トルコの田舎は、本当にいい人達ばかりです。

テイクオフは2000mの単独峰です。テイクオフは整備されていて、すべての方向に対応しています。風は弱くこれは飛べそうです。しかし、今日も逆転層がびっしり・・・。これは長いウェイティングとなりそうです。待っている間、山頂では地元郷土料理が振る舞われました。温かいチャイ(紅茶)とクレープとピザの中間のような食べ物を頂きましたが、これが美味しい!地元の姑ちゃんたちの華麗なるチームワークにより、120名の選手分はあっと今に売り切れとなったのです。素晴らしいもてなしに、心も体も暖まりました。

13:00を過ぎても、2000mにある逆転層はブレークする気配はありません。タスクコミッティは、逆転層下で飛ぶタスクを決定。14:15にウインドオープン。15:15にエアスタートとなりました。

宮田はもっとも風上の絶好のポジションからスタート!ところが、さすがに下層は大気が安定しており7km先のファーストポイントまでサーマルは何もありません。何もこんな渋いコンディションにおいて、先頭きってスタートする必要はなかったと反省しながら、とにかくサーマルのサインを探します。

普通のエリアであれば、イーグルが飛んでいるとか、雲ができ始めるとか様々な上昇風を示すサインがあるのですが・・・。雲はもちろん、ここには鳥すらいません。しかし、流石にワールドカップパイロット達は誰かがリフトを見つけ、ガーグルでしのぎます。

宮田は低くスタックしますが、何とか復活。テイクオフがある山まで戻り、長いトランジットに入ります。宮田はダイレクトにターンポインを狙いますが、風が強く大きくシンク。風上に大きく回り込んだパイロットは次の台地に乗りもう一上げに成功。コース取りによって大きな差が出ました。

台地手前は降りるところのない渓谷。ツリーランする選手がいる中、ギリギリの距離伸ばしに、宮田はギブアップ。渓谷の中の畑に何とかセーフティランディング。たっぷり歩きましたが、ツリーランよりはましです。2回のヒッチハイクを乗り継ぎ、無事Cameliセンターまで戻ってこれました。しかし、Cameliの人達は本当に良い人ばかり。親身にパラグライダーパイロットを助けてくれます。本当に感謝です。

今日のトップはドイツのペペ。こんなに渋くても、確実に距離を延ばすのは本当の実力。凄い。ファーストタスクはトップ370点と低いデイクオリティに終わりました。

まだ始まったばかりです。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年09月30日 | Permalink

2014PWC Super Final Turky Day5

予定通り、7:45に集合しCameliに移動となりました。2時間半のロングドライブの末到着しましたが、やっぱり北風強風。

集合場所となった殺風景なガソリンスタンドでしばしウェイティング。主催者はいろいろと情報を収集し、ブリーフィング。やはりフライトは難しく、キャンセルを発表。しかし、さらに100kmほど南下したオルデニスは飛べそうだがどうする?とのことでした。選手は迷わずオルデニス!!全員で移動となりました。


さらに2時間のドライブの後、着きましたオルデニス!!寒い冬から夏のリゾートにやってきた感じです。青い海と砂浜。そして空には多くのパラグライダーが飛んでいます!雲底は何と3000m!さすがの北風も背後の山にブロックされ、海風で守られたオルデニスまでは届かなかったようです。ここはまさにパラグライダー天国のように感じました。

ところが、ここでアクシデント発生。グライダーを積み込んでいたトラックが、パムッカレに帰ってしまったのです。スーパーコンディションを目の前にして、お預けをくらってしまった選手は発狂寸前です・・・。

宮田、青木を含む数名のパイロットは、バスの荷物入れにグライダーを入れていたためセーフ!短い時間でしたが、貴重なフライトをすることができました。

17:00に出発し、到着は22:00。やっぱり帰りは5時間はかかりました。ちょっと疲れました。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2014年09月29日 | Permalink