US Open 2019 参戦記


プロローグ
バンクーバーからシアトルへ。日本チームと合流して、USA選手権にオープン参加するためにChelanにやって来ました。コロンビア川を越えた台地上では、強烈なサーマル(熱上昇風)がダストデビル(つむじ風)と共に発生するエリアとして有名。2010年のワールドカップで訪問し、4位入賞した思いで深い場所でもあります。

Chelanは,北アメリカ最深となる氷河湖畔にあるリゾートで、独立記念日があった週末からバカンスを楽しむ多くの観光客で賑わっています。それに合わせてたこの大会は、地元の大きなボランティア支援によって開催されています。大変ありがたいことです。

今日は公式練習日とミーティングが行われ、いよいよ明日から本番です。平野部の雲底は2800m!久しぶりとなる競技フライトのため、今日のフライトは装備の確認と調整がミッション。3年のブランクを埋めるべくスロースタートで気負わず行きたいと思います。ご期待ください。





Day1 Task1
大会初日。いよいよ競技スタートです。朝から快晴。テイクオフはビュートと呼ばれる浸食によって残された丘の頂上。何も無いテイクオフには選手がテイクオフ順を待つようにテントが設置され、強烈な日照を遮ってくれて助かります。

タスクは選手のコンディション調節に合わせ、101Kmの風下へのストレートゴールが決定しました。ここChelan では簡単なショートタスク。先ずはミスせずゴール前で勝負を心がけます。しかし、大事なスタートで失敗し、やや後方からのスタートとなってしまい、トップグループを後方から追い上げる形でレースは進みます。

初日ということもあり選手も大きなリスクを負わず集団で進みます。そんなスローペースの集団を、残り25Kmでついにキャッチ!と思われましたが、ダントツに一人抜き出ていたトップowenから10分遅れのゴール…。

レース展開はこちらから
https://airtribune.com/play/4210/2d

後追いだった分、リーディングポイントは期待できませんが、まずまずの滑り出しとなりました。残り6日、勝負は後半戦までとっときます。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open






Day2
大気が不安定な予報でしたが、朝は快晴のため、選手も朝から興奮気味。我々も準備万端気合を入れてテイクオフに上がりました。弱い風のため、早速74Kmのトライアングルタスクが発表されスタート時間を待ちます。

ところが高層雲が張り出すのと同時に、コロンビア川を渡った先の平野上に積乱雲が…。上空に流入した寒気の影響でアッという間に発達。遠く雲の下は雷雨が見えます。流石にこれはヤバい!主催者はギリギリまで待ちましたが、やはりキャンセルが決定。残念ながら下山となりました。しかし、積乱雲もアメリカンサイズ!すごい迫力でした。

明日も大気は不安定。吉と出るか凶と出るか?準備は万端です。どんとこい!




Chelan 2019 Days 1 and 2 from HapiAcro on Vimeo.



Day3 Task2。
適度な不安定な大気ですが、南風が強い予報。Chelanの平野部は南風に弱い。こうなったらカナダ国境まで行ってしまいましょう!と発表されたタスクは風下への133Km。

一見、簡単そうなタスクでしたが、スタート前の位置取りが勝敗を分けそうです。テイクオフ後は風上側から注意深く台地にのって、今日の宮田は狙い通り大地の上でベストポジションのスタートに成功。

終始、トップグループでコマを進めることができ、ファイナルグライドは失敗しゴール手前に降りそうになりましたが、何とか4位でフィニッシュ!トップはブラジルで500Kmを越える世界記録を樹立した伝説のパイロットDonizete。やはりすごいパイロットです。
https://airtribune.com/us-open-paragliding-chelan-20…/…/open

レース展開はこちらから。
https://ayvri.com/…/2019_chelan_us_paragliding_open_tuesday…

やっとレースの感覚が戻ってきました。現在総合4位。まだ残り4日あるので、少しずつ順位を上げていきます。
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Day3の動画はこちらから
https://vimeo.com/347649914

Day4
前線通過で朝から雨。午後から回復予報でしたが、強風予報も出ているためキャンセルが決定。夕方、風が収まれば飛べるかとひたすら待ちましたが、発達した積乱雲が広がり、やはりダメでした。残念…。

あきらめて、夕方近くの川の散策に。気持ち良いトレックロードが整備されていて、良い気分転換になりました。明日に向けての準備は万端です。




Day5 Task3
残り3日。大会も後半戦になってきました。選手も本気モードで、降りてしまうリスクがあってもガンガンとアタックする展開が予想されます。タスクは南風強い予報ですが、東西方向に台地を往復し、北へ。ゴール手前でまた東西に往復する。横風レグが多く、距離も122Kmのテクニカルな内容です。

スタートは今日もピッタリ決まり、ベストポジションでレース開始!やはりトップ集団はいつものメンバーに絞られ、抜きつ抜かれつ更にハイペースで展開。特にブラジルのレジェンドDonizeteがガンガン低くアタックし、トップ集団を牽引します。宮田はついて行くだけで必死。中々前方にアタックすることができません…。もちろん、トランジットは常にフルスピードを維持しないと、アッというまに置いて行かれます。

何とか中盤までは良いポジション行けましたが、さあこれから勝負という残り50Kmで完全に置いて行かれます。気持ちを入れ替えしっかり雲底まで上げて一気に追いつく作戦に変更。3000mの雲底から残り30Kmのファイナルグライドで勝負!最終レグは力いっぱい横風!!ファイナルグライド計算はゴール上空「+350m」の余裕到達高度が表示されています。よーし!Go!しかし、最終パイロンは対岸の湖の上を折り返したころには「+50m」さらにみるみる減っていきます。残り10Kmでは「‐50m」!!これは上げないとゴール前に突き刺さってしまう。得意の忍法神頼み!!!

すると、今日も出ました!奇跡のサーマルのおかげで数十mゲイン。町の上をギリギリの高度で通過しゴールラインをカット!!最後にかなり追い抜いて7番目にゴールでしたがトップから10分遅れ…。
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たまには幸運も必要ですが、総合成績は5位に後退。残り2日。まだ表彰台のチャンスはあります。
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Day5の動画はこちらから
https://vimeo.com/348511056

Day6 Task4
高層雲に覆われた朝でしたが、ここシェランでは午後から晴れてくることが多く、気持ちを高めテイクオフへGo! 北西の谷へストレートゴールが発表されましたが、高層雲は依然取れず。しばらくウェイティングとなります。

午後1時を過ぎても、高層雲はべったり。たまらず40Km北へのミニマムタスクに変更しコンディションの好転を待ちます。14時を過ぎダミーがやっとソアリングし始めたのを見て、ウインドオープン!渋いコンディションの中、選手は次々とテイクオフしていきますが、ほぼ撃沈…。宮田最後まで粘りたおし、好転を待ちますが耐えきれずランディング。海外の大会では珍しくリフライト有だったため、コンディションの好転を期待してテイクオフへ。すると奇跡が起きます...。

最初のリフライト組がテイクオフに着いたころ、なんと雲が切れて青空が!!!飛ばずに待っていた組と合流し、次々とゴール方向へ消えていくではありませんか。宮田もギリギリ16:30のウィンドクローズに間に合い、追従します。

急いだリフライトでしたが、悲しいかなまたもや高層雲が…。ドン曇りの中、コロンビア川西斜面に取りつき、緩斜面を「忍法手裏剣の舞」で回し続け凌ぎ、台地の縁まで上げたら「忍法張り付きの術」リッジソアリングで何とか北上に成功!

いよいよファイナルグライドですが、ゴールは台地の裏!ギリギリの高度で裏にこぼれたら届く!とそう思ってこぼれてみると、何とそこは広大な果樹園。対地高度はとれず、あえなく林道に撃沈…。

放心状態でグライダーをパックしていると、青空が再び…。何とタイミング悪いこと。歩いていると農園で働くトラックに乗ったメキシコ人アミーゴが通りかかり乗せてくれることに。電波も入らない台地の上だったので助かりました。グラシアス、アミーゴ!

全員リフライトかと思われましたが、唯一生き残ったのはブラジルのレジェンドDonizete!ぶっちぎりのゴールでした。本当に凄いオッサンです。いよいよ、残り一日となってしまいましたが悔いなくせめて少しでも順位を上げていきます。



USオープンDay7 Task5
大会最終日。朝は高層雲が広がり、昨日同様いやな雰囲気でしたが、テイクオフに到着するころにはすっきり晴天に。強烈な日照が肌を刺します。

最終タスクは閉会式のこともあり、台地上の道路に沿った78Km。これはあっという間に終わってしまいそうです。今日もピッタリ、ベストポジションでスタート!台地上は大会期間中、最高のコンディションとなり、積雲下の良質なサーマルは+8m/s!「忍法昇龍拳」で一気にクラウドベースへ。

弱いサーマルは捨て、ひたすら積雲下をフルスピードで飛び続けます。今日も集団を牽引したのはブラジルのレジェンド、Donizete。最終日にアタックする選手も、彼の前に仕掛けるのは難しく、追従するので必死です。

アッといまにファイナルグライドへ。宮田も何とか追従しますが、ゴール手前で引き離され10位でフィニッシュ。主催者の狙い通り80人のゴールとなりました。
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総合成績は5位。3年ぶりの競技会は燃え尽きることができました。昔の仲間とだけでなく、伝説のパイロットDonizeteさんと飛べたことは自分に大きな刺激になりました。年に数回しか飛ばないそうですが、平野部を飛ばせると世界一かと思われる神がかったフライトを見せてくれました。凄いパイロットがいるものです。

世界は本当に広い…。





エピローグ
世界有数のフラットランドChelanでの戦いが終わりました。7日間中、5日飛べて、それぞれChelanらしい素晴らしいタスクが成立。3年間の競技活動のブランクを埋めるべく選んだステージとしては最高だったと感じています。

ただ、この3年間でグライダー、ハーネス、計器などの道具だけでなく、その間トレーニングを積んできた選手も大きく進化していて、自分がはるか取り残されていることも強く感じました。

ルールは、より先行して飛ぶ選手を評価するリーディングポイントの比率が大きくなり、失敗を恐れずアタックし続けることが結果総合成績に反映されてくる。そんなゲームになってきているのです。アベレージパイロットであった自分の飛び方も変えなくてはなりません。

今回のUSAでの遠征が、自分の競技フライトへのモチベーションを、また引き上げてくれる本当に良い機会になりました。USオープンで得たレター(成績)を使い、またワールドカップに挑戦できるように準備していきたいと思います。

ご声援いただきました皆様、ありがとうございました。





投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2019年07月18日 | Permalink

CANADA Tour 2019


Day1
いよいよバンクバーに向けて出発です。今回は伊豆フライトハウスとの合同ツアー。鈴木校長の大工修行時代の古巣バンクーバーでのフライトも大きなミッションとなります。

今回は成田からでしたが出国もスムーズ。カナダは日付変更線をまたぐので、同日27日朝に到着。ちょっと得した気分です。そして、バンクーバー空港では現地ガイドのNormとも順調に合流して一路Mt.Woodsideへ移動です。

ここ数日大気が不安定で、午前中は雨が降っていたそうですが、我々の訪問と共に晴れ間が!雄大なフレーザー川を見ながら、穏やかにソアリング。校長、オットーも無事にフライト。ウォームアップには最高の初日となりました。







Day2
カナダ西海岸周辺は低気圧の通過で、がっちり大気が不安定。
昨日と同じようなコンディションで、雨が降ったり止んだり。タイミングを見れば飛べそうということで、今日もMt.Woodsideに上がりましたが、風はやや強め。無理せず下山して観光モード。

近くにあるBridalFallという滝観光。巨大な針葉樹のパワーととマイナスイオンで癒されました。夜は成瀬シェフの指導もと自炊。楽しい時間を過ごせました。

明日からKerwonaへ。天気は回復傾向です!






Day3
天候の回復を見て、朝からChilliwackから東へ移動開始。途中SlomonArmで飛んだ後、夕方最終目的地のRevelstokeへ到着。

Revelstokeはカナダ有数のマウンテンリゾートで、2200mのテイクオフからは素晴らしいロケーションが望めます!19時を過ぎていましたが、夕方特有の穏やかな風でソアリングが楽しめました。高度差1700mのグライディングは最高。

明日から天候は回復。楽しみです。






Day4
朝から気持ちの良い快晴。Revelstokeでのベストコンディション予報にカナダ中から多くのパイロットが集まりました。丁度、カナダ祭日が重なり、イベントも開催されていてアクロバット、SIVコースも行われていて、エリアは賑やか。

我々は対流が激しくなる前に1本。校長、オットー、信彦さんも気持ちよくフライトできました。そして、クラウドベースは予報通り3200m!成瀬さんはあまりの寒さに早々にギブアップ。カメちゃんは3500mまで上げて宮田と70Kmのアウト&リターンを楽しみました。夕方も穏やかにもう一本フライト。Revelstokeをたっぷり楽しめた1日でした。







Day5
今日もRevelstoke。朝から気持ち良い快晴。午後からサンダーストーム予報に、午前中勝負でテイクオフへ移動。安定した西風で、テイクオフ前では信彦さんものんびりソアリングできました。校長、オットーも気持ちよくフライダウン。そして、カメちゃんは今日も4時間のフライト。寒気の流入は予報より遅れ、結局夕方まで飛べた一日でした。

カナダパイロットはとてもフレンドリー。ランディングでは、地元パイロットとの交流が深まります。同じ車椅子パイロットのロスさんは、校長と意気投合。今度は日本で一緒に飛ぼう!深い絆が生まれ、良い出会いとなりました。

明日、Golden訪問予定です。







Day6
Theカナディアンロッキーとして名高いGoldenに訪問しました。世界有数の山岳エリアとは聞いていましたが、テイクオフ、ランディングは素晴らしく整備されていて時間を選べば練習生でも楽しめそうです。

午前中早い時間、雲底は低かったものの、午後には雲底3000mまで押し上がり、噂通りのポテンシャルを見せてくれました。校長、信ちゃんは穏やかなうちにフライダウン。宮田、カメちゃんは谷を南にXC30Km。壮大なカナディアンロッキーを見ながらのフライトは感動の一言。本当に来てよかった…。今回アテンドしてくれたノーマン、リチャードに本当に感謝です。

帰りに謎の日本料理店で食事。Goldenのランボーことリチャード家と楽しい時間が過ごせました。素晴らしい出会いにも感謝です。







Day7
ツアーも後半戦。険しいカナディアンロッキーから離れ、美しい湖と丘陵が続くOkanaganValleyに移動。今まで圧倒されてきた景色とは違って、のどかな田園風景の中リラックスして飛ぶことができました。

カメちゃんは地元パイロット達と大きな谷を周回するXCへ。日本らしい弱~いコンディションでしたが、我々にはピッタリ。地元の強者パイロットが途中降りてしまうなか、カメちゃんはキープハイで生き残り、見事ランディングまで生還。校長、信ちゃんもエリア内でのんびりソアリングを楽しめました。

夜は宿泊先の古い農家で自炊。陽気なカナディアンと美味しい料理、今晩も楽しい時間を過ごすことができました。







Day8
朝からしっとりした雨。昨日まで飛べた余韻を楽しむようにゆっくりスタートです。朝食はカメちゃんプロデュースのサッポロ一番塩ラーメンを美味しくいただき、Okanagan湖を観光しながらゆっくりバンクーバーを目指すことになりました。

Okanagan湖はフランスのアネシー湖に雰囲気がそっくりです。綺麗な水質で、周辺はリゾートですが、少し離れれば、美しい果物畑に囲まれていて最高の場所でした。次回は是非サーモン釣りにも挑戦したい!

さて、バンクーバーに到着しましたが、残念ながら雲底は低く、お目当てのグラウスマウンテンは飛べませんでしたが、巨大なショッピングモールでお土産購入。そして、夜はNormお勧め謎のラーメン屋で勝負!見た目、味はギリギリ合格点でしたが、成瀬さんチョイスのみそバターラーメンはちょっとはずした感が…。ラーメンビールにはびっくり!中身は冷やしラーメンで予想外に美味しかったです。

明日はツアー最終日。楽しかったカナダから帰路に立ちます。





エピローグ
楽しかったカナダツアーも無事終了。初めてのカナダ訪問でしたが、Norm、Richardによる完璧なサポートのおかげで素晴らしい体験ができました。そして、伊豆フライトハウス鈴木校長もハンディキャップを抱えながらのチャレンジに改めて尊敬!ご一緒させていただき光栄でした。皆さんに感謝です。

雄大なカナディアンロッキーがもたらす恩恵に感動し、人間の存在など、改めて小さく感じてしまいます。そこに暮らすカナディアンはその自然と対峙し、楽しさも厳しさも受け入れ共存しているように感じました。また必ず訪れなくてはならない場所が増えてしまいました。

世界は本当に広い!




投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2019年07月06日 | Permalink

川根小学校パラグライダークラブ活動 第2回の巻


第2回目は校庭で実際にパラグライダー装備を身に着けて、フワッと体験に挑戦です。



本来パラグライダーは斜面から飛び立つのですが、校庭は平地のため両サイドにサポートがつき、前進力を補います。




建物に囲まれた校庭は、風向風速が一定せず苦戦しましたが、一生懸命走ってみんな飛ぶことができました!




僅かですが、地面から足が離れると子供たちは大興奮!目をキラキラさせて喜んでくれました。癒されます。




飛ばない子供たちも、なぜだか一緒に走ります。そして最後は空気の抜けたパラグライダーがばさ~っと落ちてくるのが面白かったみたいです。やっぱり子供だ。



今回は、地元放送局、新聞社が取材に来てくれました。この活動が川根小学校から全国に広がっていけば良いですね。夢はでっかく世界を目指すパイロットを育成したい!




投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2019年06月21日 | Permalink

川根小学校「パラグライダークラブ」できました!


島田市立川根小学校に「パラグライダークラブ」が発足しました。記念すべき第一回は川根町のパラグライダーとは?をテーマにオリエンテーションからスタートです。



今回のパラグライダークラブの目標からみんなで決めることからスタート!「パラグライダーで飛べるようになる」う~んイイね!しかし、決定したのは「パラグライダーは地域の協力が必要なので、パラグライダーで地域の絆を深める!」素晴らしい!おじさん感動で、目から汗が…。子供たちのピュアな思いにモチベーションあがります。

先ずは、静岡県にパラグライダーできるところが多くあること、そして「鵜山の七曲」がなぜパラグライダーに良いのかも説明。スライドショーと動画で子供たちは「早く飛びた~い!」早速、つかみはOKです。



ホールに場所を移し、パラグライダーを実際に広げて触ってみます。「こんなヒモきれないの~」→「もちろん大丈夫!」「空気の穴が大きいな~」→「頭入れてみよう」さすが子供、盛り上がります。

ハーネスシュミレーターも大人気。ヘルメットが仮面ライダーみたいでうけていました。





最後は、飛び入り参加で和歌山県串本町から来てくれた練習生の立野先生(アームレスリング関東チャンピオン)が、パラグライダーでの夢を語って終了。初回の反応は上々でした。しかし、終了後の腕相撲大会で立野先生に子供たちの人気をすべて持っていかれました。(笑)




第2回が楽しみですね!


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2019年05月17日 | Permalink

Thailand XC Camp 2019



プロローグ
タイ カオサダオで開催されるXCイベントに今年も参加です。XCの高いポテンシャルはもちろんですが、素朴で優しいタイ人の魅力に引かれてしまいました。今回のミッションも250Kmのタイ記録をブレークすることですが、アジアから集まるパイロットと交流を深かめ、日本に(川根)に来てもらえるコネクションを作ることがもう一つのミッションとなります。

しかし、今回は出発から波乱が…静岡空港での最初の便が遅れ、上海での乗り継ぎはもちろん乗れず。深夜の上海空港で路頭に迷いそうになるも、何とかホテルに滑り込み一日缶詰。4月だというのに極寒の上海を満喫!?できました。

丸一日遅れとなりましたが何とか、目的地まで到着。珍道中の始まりを予感させます。




Day1
移動でのハプニングから、初日のエリアKhaoDeanに到着したのは6時!10時まで仮眠していよいよフライト開始。

初日ということもあり、暑さに体を慣らし、機材のチェックやサポートチームとの連携を確認することがミッション。そして、メニューは30Km北上したゴジラ山を目指してプチXC。メンバーみんな良い ウォームアップとなりました。

https://www.livetrack24.com/track/1400274

フライト後はバンコクの大渋滞を味わいながら、本命のKhao Sadaoへ移動。ゆっくり休んで明日から勝負です!



Day2
今日から本命となるKhao Sadaoでフライトです。毎年行われているXCフリーディスタンスのイベントも今年で4年目。今年も世界中から多くのパイロットで賑っています。

初日の今日は、受付後にフライトに関するブリーフィング(説明会)が行われ、新たに設定された飛行禁止空域の説明がされました。初日ということもあり、先ずはエリアになれることがミッションです。

テイクオフは海抜500m、高度差300mほどのテーブルマウンテン。南風が吹けばまずリッジソアリングで空中に待機でき、簡単にソアリングが可能です。雲底2000mまで上昇したら北方向へXCへ出発です。見渡す限り耕作された畑が広がり、10Kmごとに村が点在しているため、道もあり着陸後は安心です。

今日は50kmを越えたところから西風が強まり、苦戦します。宮田は西風を警戒しすぎ、ぎりぎりAirspace西の端まで向かい風の中進みますが、あまりの強さにギブアップ。大きく風下側に戻り回収道路沿いにランディング85Kmでした。
https://www.livetrack24.com/track/1400793

我々日本人チームも50Kmから100Kmの間に無事にランディング。そして、ランディング後もタイらしいウルルン体験がまっていました。光太郎君は地元警察署まで連行され、署長を表敬訪問。なっちゃんは村のお祭りステージで一曲歌い、カメちゃんは村人と宴会。皆さんランディング後のタイ式熱烈歓迎も楽しめたようです。

明日は大気が不安定予報。これが吉と出るか!?





Day3
昨日に比べ大気は不安定で夕方にはサンダーストーム予報。夕方にはどこかで積乱雲が発生し注意すべし!と言うことでしたが、ここ数日のサーマル活動の弱さにこの不安定度が必要に感じます。さて、吉と出るか!?

テイクオフ周辺は予報に反して、激渋コンディション。我々メンバーを含む多くのパイロットがぶっ飛んでしまう状況で何とかXCスタート。

今日も50Kmを越えるまで3時間もかかり超スローペースでしたが、14時を越えたころからコンディションは次第に良くなり雲底も2300mまでしっかり上がるようになりスピードアップ!

サンダーストームの気配はなく16時を越えるころから雲底は2500mを越えるようになり、17時を過ぎると2700m!風向きも南風12Km/h。40分の至福のファイナルグライドの後、エアスペース手前ギリギリと回収道路わきにランディング。距離はほんの170Kmでしたが、一日のコンディションを使い切った満足なフライトでした。

https://www.xcontest.org/…/fl…/detail:ayumu/13.04.2019/04:27

明日も似たような予報です。やっと良い感覚が戻ってきました。少しスピードを上げていきます。




Day4
今日は昨日以上にサンダーストーム(積乱雲)に注意予報。確かに雲多めですが、なんとか晴れて今日も良さそう。朝から昨日の反省とシミュレーションはバッチリ。万全の体制で臨みました。

強めの風のため、みんな早めにテイクオフしていきます。なのに、日照が弱く1000mの逆転層がなかなかブレークしません。テイクオフ周辺はカオス状態。様々な技量のパイロットが混在しちょっと危険でしたが、何とか抜け出し1400mでXC出発!

平野部に出てみると、コンディションは十分整っていて、いつものタロイモ工場上空で2000m。雲もランダムに形成されています。これはいける!シミュレーションコースを一人スピードバーを踏み込み、加速装~置!一般的にXCは何人かで飛んだ方が効率が良いんですが、今日は何人たりとも前は飛ばさせね~!っとばかりにカッとばしてみました。

100Km付近でコンディションの良くなる15時を迎え、西寄りのコースでベストポジション。これは200Kmオーバーが見えてきました。ところが遥か西側に発達した積乱雲が、最後の熱供給となる夕陽をシャットアウト…。コースは積乱雲の影が大きく落とされ、先ほどまであったクラウドストリートを消滅させてしまったのです…。

ジリ貧状態で低いリッジに張り付き、よわーいアーベントテルミックでだましだまし距離を伸ばし、最後はジャングルの野焼きサーマルへ突入!煙に巻かれて168Km。7時間近いフライトでしたが、新しいコースを自分なりにアタックでき、充実したフライトでした。

https://www.xcontest.org/…/fl…/detail:ayumu/14.04.2019/03:56



Day5
昨日にも増して、サンダーストーム予報。今日は記録よりも安全に飛ぶことをミッションに、できるだけグループで飛ぶことを心がけました。

いつものテイクオフ周辺は渋いコンディションでしたが、光太郎を残し、他のメンバーはXCへGo !平野部に出ると、ご立派な積雲がにょきにょきと成長していくのが確認できます。その分サーマルもたっぷり。雲の下では期待通りの強いサーマルが待ち受けてくれます。

調子に乗ってドンドン北上できるのですが、北東方向の雲から雨が降りだしてくるのが見えます。うまくすり抜けられるかも!?甘い誘惑に負けそうでしたが、我々は無理せず早めにセーフティランディング。その後やっぱり積乱雲まで発達しゴロゴロと雷鳴も聞こえ、納得の撤退となりました。

明日はKhao sadao最終日。ラストチャンスは完全燃焼できるように準備を整えます。



Day6
Khao sadao最終日。適度な不安定な大気でサンダーストームのリスクも今日は少ない最高の予報。唯一追い風が弱いのが気がかりですが、思い切って飛ぼうと心に決めてスタート!

今日も前半は、グループで飛ぶことを心がけましたが、なかなか足並みがそろわず。一人づつ脱落していきます。それでも臆せず生き残ったメンバーでアタックを続けます。今回、最高のコンディションを感じながら、良いペースで進みすぎてしまい最後は一人旅。

巨大な積雲が大きな町の上に鎮座しているのを見て、迷いなく突っ込みますが、衰退期に転じていたのか上昇風は不活発。そのまま撃沈してしまいました。記録ブレークの気配があっただけに、気持ちが先に行ってしまったようです。それでも攻めた結果に悔いはなし。

今回のKhaoSadaoは5日間すべて飛べ、メンバー全員がXCを楽しめたイベントとなりました。この素晴らしいエリアでのXCイベントを、来年以降続けていただけるようにみんなでルールを守り、ビックフライトとセーフティランディングでスタッフに恩返ししたいものです。
イベントスタッフの皆さまありがとうございました。



Day7
昨晩中に350Kmの大移動を経て、再びKhaoDeanに戻ってきました。今日のゴールは北北西へ110Kmにある、カンチャナブリまで飛んで行き、映画「戦場にかける橋」の有名な橋を空中から見ること!メンバーかなりお疲れですが、目標があるとモチベーションも上がります。

宮田テイクオフで靴を忘れたことに気づき、しばしウェイティング。その分テイクオフが遅れ、熱風は強まりサーマルは立ち上がりません。何とか他のメンバーを追いかけますが、全員途中で撃沈!

しかしランディング後、パッキングが終わったところで今日も現れました神の使者!!何処からともなくスーパーカブに乗ったお兄さんが現れ、全く通じないタイ語ですが、町まで送ってくれました。コップンカー。

村の中にはフルーツ屋台があり、大好物のドリアンやマンゴーをたっぷり味わうことができ今日のタスクは大満足にコンプリート。コンビニでは面白いおじさんToyさんと知り合うことができ、良い出会いもできました。

明日はいよいよタイ最終日です。明日こそ橋まで飛ぶぞー!



Day8
いよいよタイでのフライト最終日。今日もKhaoDeanから戦場にかける橋を目指します。昨日の反省から11時にはスタートしようと宮田から早めにテイクオフ。

テイクオフ周辺は1000mの逆転層がなかなかブレークしません。全員が空中に出たころから徐々に南風が進入し、それがトリガーになり、光太郎、Wiさんともやっと合流、2000mの雲底からスタート!

大気は十分に不安定で、コース上にはご立派な雄大積雲が発達し、これは積乱雲までいっちゃいそうです。慎重にコースを定め北上していきますが、雄大積雲の風下側はぽつぽつと雨が落ち始め、それと一緒に大きな下降気流が…。Wiさんから「アメいっぱいダヨ~」との無線が。「気持ちイイネ~」などとお気楽に返事していたのですが、下降気流帯から見事抜け出せず、2人してそのままランディング。頑張った光太郎君も近くにセーフティランディング。
カメちゃんとNoiさんが80Kmと頑張り、最終日を盛り上げてくれました。

フライト後は通称ゴジラ山へ観光へGo!溶けだした石灰岩が巨大な洞窟を作り出していて、中に入ると、まるで映画のセットを見ているかのような圧倒感!今回のタイのショッキングランキング1位に躍り出ました。南浦さんはクライマー魂に火が付いたようです。鍾乳石の柱にアタック!



最後の晩餐は、シーフードレストランでタイ料理を満喫。飛んで良し、見て良し、食べて良し!3拍子そろった環境にまして、人懐っこいタイの方の親切に感動を受けながら最高のXCツアーになりました。

アテンドしていただいた、ヒロさん、Wiさん、Noiさん。ドライバーのポンさん、カーペンさん。温かく迎えてくれたタイの皆さんコップンカーップ!(ありがとう)

来年も必ず来ます!またおねがいしま~す。




投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2019年04月19日 | Permalink