安比チャレンジリーグ

岩手県北部、奥羽山脈の最北端に位置する安比高原エリアで、昨年に引き続き2007年チェレンジリーグ第2戦が開催されました。西、東日本が梅雨本番となるこの時期、梅雨前線の北側となり好天が続く東北地方の安比高原では、2000mを超える穏やかなサーマルでのビックフライトが期待されます。運悪く、昨年は強烈な寒気を持った低気圧の接近により台風のような暴風雨となってしまいフライトすらできませんでしたが、昨年のリベンジ!と55人の選手が集結しました。
安比高原エリアはスキー場で有名な1300mの単独峰(前森山)にあります。西には八幡平高原が広がり、西風をブロックし、また局地風の盛岡盆地からの南風、東は八戸方向からの東風によりコンバージェンスラインが形成される。まさに風の交差点に位置しています。北よりの風でコンバージェンスラインが形成されると、約15km南にある岩手山まで簡単に飛んでいくことができます。岩手山麓まではサーマル源となる牧草地が続いており、またランディングも可能となっています。チャレジリーグ開催エリアの中で、10km以上のファイナルグライドがリスク無くできる唯一のエリアといえるでしょう。果たして今年こそビックタスク成立するのでしょうか!選手、スタッフ共に気合十分です。

6月30日(土)
今回も大会本部は、七時雨パラグライダースクールの立花校長がオーナーでもある安比七時雨山荘です。参加選手には格安宿泊を用意していただき、また関東から参加し早朝到着した選手のために、仮眠までできるイキな計らいで好評でした。
さて、初日の天気は、梅雨前線にかかる低気圧の通過により、岩手県は曇り予報で北風も強そう。しかし、予定どおり受付後は、安比高原スキー場へ集合。早朝まで降り続いた雨のため、雲底は低く山頂が見えまでしたが、周辺は晴れているとの情報のため、雲底が上がるまで、ゆっくりと開会式とブリーフィングをスキーセンターにて行いました。

正午以降、天気はやはり急激に回復し、青空が広がってきました。早速テイクオフへ移動となりました。テイクオフまではゴンドラで約15分!さすがスキー場、あっという間に移動完了。テイクオフレベルの雲底も次第にクリアーとなってきました。冬場広大な駐車場となるランディングにも、十分な日射がありサーマル活動も期待されます。タスクミッティはランディングからスキー場中腹のアンテナへ戻り、東へ流した牧場ゴールの7.1kmエラップスタイムを決定!一見簡単そうですが、周期的発生するランディングでのサーマルを引っ掛けないとゴールできません。一癖ある難しいタスクです。

ウインドオープンと共に選手は次々とテイクオフしていきます。最初のグループはサーマル発生周期が悪く、かなり厳しそう・・。そんな中、低いところから最初に上げ始めたのはスカイパーク宇都宮の谷田選手!弱いサーマルを見事に捕らえてアンテナへ流していきます。それを見たテイクオフ選手も俄然ヒートアップ!次々テイクオフし、かぶさるようにガーグルを形成していきます。
コンディションの好転に、このままみんなゴールか?と思いきや、湿っているためかサーマルはすぐに雲となり日射をさえぎってしまいました。上げきった選手が次々とゴールへファイナルグライドしていくのを見ながら、後半テイクオフの選手はさわやかにランディングへ・・・。運も実力です!良いタイミングで飛んだ11名の選手が見事ゴールメイク!最速は中村雅彦選手でなんと6分17秒でした。C3クラスも山本選手が唯一ゴールを決め、そして、一番がんばった谷田選手は勝負を焦り、痛恨の1kmショート・・。そんなドラマもありました。

夜のパーティは恒例のバーベキューパーティで盛り上がりました。明日の天気予報は北風弱く、晴れ予報!ついに岩手山ゴールか!?予想される絶好のコンディションに選手のモチベーションもバーベキュー火もガンガン燃えてパーティ会場は大盛況(煙で真っ白!?)。美味しいお酒に選手、スタッフ間の親睦も深まったようです。


投稿者名 宮田 歩 投稿日時 2007年06月29日 | Permalink